白い箱

ローコスト箱型都市住宅。
自分にとっての都市型住宅のプロトタイプとして設計しました。
敷地は佐賀特有の軟弱地盤で基礎に多くの予算を割かねばならず、本体はかなりのローコストを要求されました。
しかし、厳しい予算を逆手にとってシンプルですがすがしい空間で美しく暮らすことを目指し設計しました。
細部にわたって徹底的に工法の簡略化をはかり、安価だが高性能な規格品や既製品をうまく使用して、デザインとコストの両立を図りました。
建設地 佐賀県佐賀市
構造 木造
敷地面積 203.19u (61.4坪)
延床面積 106.14u (32.1坪)
家族構成 夫婦+子供2人

いさぎよくスッキリ箱型です。
無駄は許されません。

外壁は塗装済みの幅45cmの住宅用サイディングを、サッシはすべて規格寸法のものを使用しています。

同じ部材が連続するリズム感と、そこに窓の配置やバルコニーで表情をあたえることを意識してデザインしています。
ローコストだからと言って、何でもかんでも省いてしまってはいけません。
何が重要かをきちっと選択しなければなりません。
ひさしはちゃんとあります。
両サイドの袖壁は、夏の西日よけです。
日射のコントロールは住み心地に大きく影響するので、ここはしっかりやりました。
決して広くはありませんが、広く感じる空間となりました。
キッチンはテーブルと一体となったアイランド型です。
ここが家の中心です。
家族が集まります。
キッチンを囲っている壁がないので、空間的にもコスト的にもスッキリです。

壁や天井はMDFという木の細かい繊維を固めたボードを使用しています。
これが安価で高性能。
表面は硬くてツルっとしているので、仕上をしなくても見栄えはいいです。
  私自身が料理好きということもあって、キッチンの設計には特に力を入れています。
メーカーのシステムキッチンは使わず、自分で設計して特注で作っています。
実はそのほうが安価だったりもします。
写真撮影 : 石井紀久 
 

八 下 田  裕 之  |  ヤ ゲ タ ヒ ロ ユ キ 建 築 設 計 事 務 所
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