コンクリートフレームの家

コンクリート打放しの家が若い夫婦のたっての希望。
しかし、予算はたいへん厳しい。(木造でも厳しいか)
そこでひらめいたのが、主要構造部である柱と梁のみを鉄筋コンクリート造とすること。
屋根は鉄骨の軽く薄い平らな屋根、壁はガラスおよび木造下地にガルバリウム鋼板としてローコスト化を図るとともに、すべてをコンクリートにするのと比べて建物を軽量化することができたため、スマートでシャープなデザインを実現することができました。
柱はすべて建物の外周に配置されているため、14m×7mの内部空間は明るく広々としたスペースとなっています。
建設地 佐賀県武雄市
構造 鉄筋コンクリート造
敷地面積 456.18u (138.0坪)
延床面積 99.05u (29.9坪)
家族構成 夫婦+子供1人

   
柱は何をすべきものなのか?
梁は? 屋根は? 壁は?
建築の構成要素が果たすべき機能を徹底的に考え、整理、簡潔化。
そしてそれらを視覚化することでデザインとコストを同時に追求しました。

柱・梁
「建物を支えてます」

屋根・壁
「雨、風を防ぐのが役目です」

そんな風に言っているように感じませんか?
窓は環境コントロール装置であることを強く意識してデザインしています。
漠然と壁に穴を開けることが無いよう自分を戒めております。

・光 (日射、視線etc.)
・熱 (外気温、冷暖房etc.)
・空気 (風、換気、においetc.)
・生物 (人、ペット、虫etc.)

季節や天候、住む人の状況によって取り入れたいものとそうでないものがあります。
窓やカーテン、ブラインドなどの開閉で最適に調整します。
夜景です。
コンクリートの梁の上部のハイサイドライトの様子と屋根が軽々と浮いている感じがわかるでしょうか。
昼間はハイサイドライトからやわらかい光が差し込んできます。
  構造体は外周の6本の柱のみで、構造と内装が完全に分離されています。
いわゆる、
「スケルトン・インフィル」
という考え方です。
将来の改装の自由度も高いです。
  壁の少ない開放的な空間。
リビングと和室も障子で仕切られていて、完全に開け放つことができます。
鴨居は天井から吊り下げて邪魔な柱もありません。 
浴室もお施主さんの希望で開放的なガラス張りとなりました。
壁はコンクリート打放し。
撥水剤が塗ってあるので、新しいうちは大丈夫でしょうが、何年か後にはカビが生えるようになるかもしれません。
その時に仕上げをするようにお施主さんとは話しています。
後回しにできることをうまく選択することもローコストで設計する知恵です。
写真撮影 : 石井紀久
 

八 下 田  裕 之  |  ヤ ゲ タ ヒ ロ ユ キ 建 築 設 計 事 務 所
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