都市と田園の境界の家

お施主さんは最近初孫が生まれた50代の夫婦。
敷地は首都圏郊外の市街化調整区域との境目に位置し、都市の便利さを享受しながら目の前には田園風景が広がる絶好の立地。
そんな好環境を生かして、普段は夫婦2人で快適に暮らすことができ、お盆やお正月には家族みんなが集まれるような、おおらかな家になるよう心掛けて設計を進めました。
建物をL字型に配置して西面の道路側からは閉鎖的に感じられますが、いったん玄関を入るとウッドデッキ、庭、そしてその先の田園風景までが一体に感じられるような空間となっています。
建設地 埼玉県幸手市
構造 木骨ラーメン構造
 (SE構法)
敷地面積 349.61u (105.7坪) 
延床面積 122.57u (37.1坪) 
家族構成 夫婦+子供1人

市街化調整区域の側から撮影。
まさに都市と田園の境界であることがおわかりいただけるのではないでしょうか。
この家の向こう側からは市街地が広がっていきます。

ゆるやかな円弧を描く屋根が外観の特徴となっています。
内部では心地のよい吹き抜け空間を演出するためにこのような形にしました。
道路側、つまり市街地の側から玄関を見た写真です。
方角的には西向きです。
プライバシーの確保と西日対策のために閉鎖的な外観としました。
居間に入ると一気に視線が開放されます。
大きな窓、ウッドデッキ、庭、その向こうには田園風景、そして吹き抜け。
周囲の環境を最大限に生かし、より広く感じられる、より広く使える空間になるように意図しています。
  窓をかなり大きくしたので、日射のコントロールには特に気を使いました。
夏は庇で真昼の日射を、そして建物をL字型に配置することで西日を防いでいます。
写真は夏至に近い頃の昼前に撮ったものですが、ご覧のとおり室内には日はさしていません。
  吹き抜けの見上げです。
柱や梁といった構造体を見せるデザインにしています。
この住宅ではSE構法という集成材を特殊な金物で接合する新しい工法を採用しているため、在来木造にくらべてシンプルで丈夫な構造となっています。
少々割高なのですが、メリットも大きいので、機会があればまた使ってみたい構法です。
吹き抜けの上はフローリングと畳が半々のフリースペースです。
奥様が趣味の茶道を楽しんだり、独立したお子さんやお孫さんが帰省したときのためのスペースとなっています。
 
 

八 下 田  裕 之  |  ヤ ゲ タ ヒ ロ ユ キ 建 築 設 計 事 務 所
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